■コンデンサの直列接続と並列接続

【直列接続】
 静電容量がC1 , C2の2つのコンデンサを直列に接続したとき,これら全体を1つのコンデンサで置き換えるたと仮定したときの合成コンデンサの静電容量をCとすると
=+
(解説)
 コンデンサを直列に接続すると,各コンデンサに蓄えられる電気量は(符号を除けば)等しくなり,全体の電圧は和になる
Q1=Q2V=V1+V2
Q=CVの公式により
Q1=C1V1Q2=C2V2
電圧が和になるから
V=V1+V2
ここで合成容量をCQ=CV)とおくと
=+
(はじめ帯電していなければ,閉じている回路では電気量は0だから,図の灰色で示した部分の電気量は0になり,−Q1+Q2=0Q1=Q2
Q=Q1=Q2
したがって
=+
が成り立つ.

Q1=Q2だからC1V1=C2V2=kとおくと
V1:V2=:=:
となって,「電圧の比は静電容量の逆数の比になる」.

3個のコンデンサが直列に接続されているときは Q1=Q2=Q3だからC1V1=C2V2=C3V3=k
とおくと
V1:V2:V3=::=::
【並列接続】
 静電容量がC1 , C2の2つのコンデンサを並列に接続したとき,これら全体を1つのコンデンサで置き換えるたと仮定したときの合成コンデンサの静電容量をCとすると
C=C1+C2
(解説)
 コンデンサを並列に接続すると,各コンデンサの電圧は等しく,全体の電気量はそれらの和になる
Q=Q1+Q2V=V1=V2
Q=CVの公式により
Q1=C1V1Q2=C2V2
電気量は和になるから
Q=Q1+Q2
合成容量をCQ=CV)とおくと
CV=C1V1+C2V2
電圧が等しいから
V=V1=V2
したがって
C=C1+C2
が成り立つ.

抵抗の直列接続,並列接続とは違い,コンデンサの合成容量は並列のときに和になり,直列のときに逆数が逆数の和になる.

V1=V2だからQ1=C1V1, Q2=C2V2
により
Q1:Q2=C1:C2
となって電気量の比は静電容量の比に等しい.(3個以上でも成り立つ)
[問題1]
図のように,静電容量C1 , C2及びC3のコンデンサが接続されている回路がある。スイッチSが開いているとき,各コンデンサの電荷は,すべて零であった。スイッチSを閉じると,C1=5[μF]のコンデンサには3.5×10−4[C]の電荷が,C2=2.5[μF]のコンデンサには0.5×10−4[C]の電荷が充電された。静電容量C3の値として,正しいのは次のうちどれか。

(1) 0.2 (2) 2.5 (3) 5 (4) 7.5 (5) 15


 一般財団法人電気技術者試験センターが作成した問題
 第三種電気主任技術者試験(電験三種)平成15年度「理論」A問題 問1
 なお,問題及び解説に対する質問等は,電気技術者試験センターに対してでなく,引用しているこのホームページの作者に対して行うものとする.
[問題2]
図1及び図2のように,静電容量がそれぞれ4[μF]と2[μF]のコンデンサC1 , C2,スイッチS1 , S2からなる回路がある.コンデンサC1C2には,それぞれ2[μC]と4[μC]の電荷が図のような極性で蓄えられている。この状態から両図ともスイッチS1及びS2を閉じたとき,図1のコンデンサC1の端子電圧をV1[V],図2のコンデンサC2の端子電圧をV2[V]とすると,電圧比||の値として,正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。


 一般財団法人電気技術者試験センターが作成した問題
 第三種電気主任技術者試験(電験三種)平成24年度「理論」A問題 問1
 なお,問題及び解説に対する質問等は,電気技術者試験センターに対してでなく,引用しているこのホームページの作者に対して行うものとする.
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