第1回 ”おくどさん” ー京都の台所ー
 うちの家は、京の町屋と呼ばれるほど古くはないんですが、”おくどさん”があります。
”おくどさん”は、いわゆるカマドです。私が小学生の頃(35年ほど前)まで使っていました。
家の中では一家の食事を賄う大切な場所で、神聖な火の祭壇でもありました。京都の定番
愛宕さんの火伏せのお札もここに貼ってあります。
 どっかの本に載ってたんですが 昔の京都では、おくどさんの掃除は嫁の仕事で、いい嫁
かどうかはここで全てが解り、嫁は姑の厳しい目を気にしながらお守りし、しかられては、焚
き口の前で、煙にむせながら泣いたそうです。 おー何という可哀想な話や!
 で、現代の私の奥さんはというと、ビールを片手に吉本新喜劇で大笑いしながら、システム
キッチンのボタンひとつで煮たり炊いた焼いたり。「こんな楽してたらバチ当たわ」という姑の
いけずな台詞をしりめに「テニス行って来まーす!」と全く動じずお出かけする嫁です。
 おくどさんからシステムキッチンへの変遷は、古い嫁姑の関係の終焉かな?と思いました。

 昨年の10月に水周りの増改築工事をした時に、取り壊そうかという話もでたのですが、今
は残して置いて良かったなあと思います。たぶんこれからも保存して行くでしょう。