●Linux

　コスト効果の高いOS、インターネットとの親和性の高いOSとしていま注目を一身に浴びているのがLinux。一言でいえばPC版のUNIXで、カーネル部分が無償なのが特徴。Red hat Software社のRed Hat LinuxやTurboLinuxジャパンのTurboLinuxが有名で、これは日本語化やGUIをはじめとする追加仕様を加えて有償で提供されている商用版である。導入コストの低さと安定性、既存UNIX資産がそのまま利用できる点などから、主にWebサーバ、メールサーバなどに利用されている。

　Linuxの企業システムへの導入には信頼性やサポートの面がネックと考えられてきたが、昨年来のIBMや日立、NEC、富士通など主要システムベンダによる正式サポートの表明により、少なくとも小規模ネットワーク（ワークグループのレベル）に関してはサーバOSとして非常に有望で魅力的な選択肢となってきた。

　例えば日立ではHA8000/70,30をLinuxプラットフォームモデルとして提供しているほか、Linuxに関するさまざまなサポートサービスを準備している。さらにインターネットアプライアンスサーバHA8000/InterStationにはLASER5 Linux 6.0 Rel.2を搭載した。今後もこの分野にLinuxプラットフォームを投入する予定という。

　また、日本ヒューレット・パッカードでも普及タイプのE60に電話サポートをバンドルするかたちでプリインストールして、ローコストのLinuxサーバを提供している。デル・コンピュータも、近々プリインストールマシンを出荷予定で、Linuxベースのソリューションパッケージの販売も検討中。日本アイ・ビー・エムでも、数種類のプリインストールマシンの提供を検討中という。富士通も、GRANPOWER5000 オールインワンタイプ Linuxサービスバンドルモデルの発表など積極的だ。Linux製品では世界でトップクラスの実績をもつコンパックも、ProLiantシリーズを「Linux Ready System」と呼んで動作確認済み情報を強力に押し出している。

　ハードベンダのこうした姿勢とともにアプリケーションのほうでも、例えばデータベース製品で見れば、IBMのDB2やオラクルのOracle 8、ユニファイのUnify DataServer、サイベースのAdaptive ServerやSQL AnyWhereなどのLinux版が発表されている。グループウェアやアプリケーションサーバなどにも次々にLinux製品が登場してきた。特に日本オラクルは今年4月25日にLinuxに特化した小会社ミラクル・リナックス株式会社（NEC、ターボリナックスジャパンなど出資）の立ち上げを発表、Oracle 8iに最適化したMiracle Linuxディストリビューションの発売とLinux版ソフトウェア製品の販売、コンサルティング、教育、保守事業を積極的に展開するという。

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●Windows2000

　Windows 2000はWindows NTの後継OSであることから豊富なパッケージソフトも継承でき、NT利用企業の移行にあたっての敷居が低く、発売当初から大企業中心に導入を表明するケースが相次いだ。Windows 2000にはクライアント用のWindows 2000 Professionalと、サーバ用のWindows 2000 Server、Windows 2000 Advanced Server、Windows 2000 Datacenter Server（近々発売）の種類がある。サーバ用の3製品について、少々乱暴だがプロセッサ数やメモリ容量などで比べてみると、従来のWindows NT server 4.0に対応するのが「Server」、NT server 4.0 Enterprise Editionに対応するのが「Advanced Server」、これまでにない大規模なネットワークに対応できるのが「Datacenter Server」ということになろうか。Datacenter Serverは最大32CPUに対応し、メモリは最大4GB、最大4ノードフェイルオーバのクラスタリング機能を持つ。エンタープライズレベルのPCサーバに搭載され、OLTPや大規模データウェアハウスを受け持つことができるとされる。

　小規模ネットワーク向けの「Server」でもRAIDのサポートやRAIDデバイスからのブート機能、メモリ保護機能などシステム部分やファイルシステム部分が改良されており、Active Directory ServiceやVPNのサポート、IIS（Internet Information Service）5.0のサポートなど、ネットワークと管理部分が強化されている。

　PCサーバベンダ各社は、ことごとくWindows 2000への対応を果たしており、Datacenter Serverに対しても当然対応を行うことになる。日立は、Pentium III Xeon 8WAY サーバHA8000/380でDatacenter Serverをサポートする予定。他の各社も対応予定またはテスト中である。

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