○最初に学んでおきたいインストールのイロハ OSが異なればインストール方法も異なるもの。そこで、最初にアプリケーションの インストール方法に関して、そのイロハを説明しましょう。少し話しが遡ってしま うかも知れませんが、Vine Linuxについて少々お話ししたいと思います。Vine LinuxはもともとRedHatというディストリビューションを元に開発されました。 Redhatを元に開発された、といったからといって別にRedhatと全く異なるものでは ありません、基本的にVine LinuxはRedHatを独自に拡張・開発をしたディストリ ビューションなのです。Redhat系ディストリビューションの場合、他のUNIX系ク ローンOSや他のディストリビューションと異なり、RPMという便利なパッケージ管 理システムを使うことが出来ます。まずは最初にこのRPMについて説明する必要が あるでしょう。RPMをコマンドで使用する方法に関しては、前回にも説明したと思 いますが、おさらいを兼ねてもう一度説明しておきましょう。 ・RPMでのインストール RPMは例えばGNOMEならGnoRPM、KDEならkpackageなどの、GUIで管理できるツールも ありますが、実際上はコマンドラインでインストールを行ったほうが楽な(ような 気がする)ので、まずはそちらから説明しましょう。 RPMは最初にもお話ししたとおり、パッケージ管理システムです。ということは単 にパッケージ(アプリケーションなどの)をインストールするだけでなく、アンイン ストールやインストールしているパッケージの一覧表示(データベース)、tar形式 で圧縮されたアプリケーション(tarボール)からのアプリケーションの作成など 様々な機能を持っています。とりあえず最初のうちはインストール方法とアンイン ストール方法、そしてアップグレードの方法だけ抑えておけばOKです。 RPMの基本的な使い方はコンソールを開いて、以下のように入力をします。 # rpm -XX ファイル名.rpm ここで、XXにはオプションが入ります。インストールをする際のオプションは何で したっけ? 憶えていますか? そう、iですよね。さらに、vやhといったオプション もつけました。つまりあるパッケージをインストールする際には # rpm -ivh ファイル名.rpm という形でしたね。では予めインストールしてあるパッケージをアップグレードす る場合はどうでした? そうです。Uというオプションを付けます(Uは大文字)。 # rpm -Uvh ファイル名.rpm ではアンインストールはどうするのでしょうか? これはまだ説明していませんでし たね。アンインストールにはeというオプションを使用します。ここで注意すべき 点が一点。アンインストールの場合、拡張子は付けません。ファイル名のみになり ます。 # rpm -e ファイル名 ・tarボールの解凍とインストール 中にはRPMという形ではなくtarとgzipで圧縮したまま配布されているものもありま す。こういったパターンの圧縮ファイルはファイル名.tar.gzなどといった形に なっています。これらを解凍する際は以下のコマンドを使ってみましょう。 # tar xvzf ファイル名 ※このコマンドが使用できるのはGNUのtarがインストールされている場合に限りま すが、Vineの場合は問題なく使えます。詳しい説明はjman(日本語マニュアル)を参 照して下さい。別にオプションに関しては詳しくここでは説明しません。tarの解 凍法に関してはこのまま丸覚えしてしまいましょう(それがオトナの了見ってもん です)。 大抵の場合、この後、以下の手順でインストールします。 # ./configure # make # make install すると/usr/local/binなどにファイルがコンパイルされてインストールされます。 場合によってはmakeファイルなどを書き換えてやる必要があるものもありますが、 そういった指示はtarボール解凍後にReadmeテキストなどを読んで確認する必要が あります。 ○テキストエディタの王道、viの使い方を憶えよう!(1) UNIX系クローンOSを使っていると、頻繁に聞くようになるツール、それがviエディ タというテキストエディタです。viはBSD系のUNIXで最初に採用された、スクリー ンエディタとラインエディタの中間のようなエディタです。スクリーンエディタと、 ラインエディタの中間であるため、文字を入力したり、カーソルを動かすといった 動作を行う際に、いちいちコマンドが必要になるのです。あまりにも使い勝手が悪 い反面、ほぼ慣習的にどのUNIX、UNIX系クローンOSにもインストールされているの で、憶えておくと非常に便利です。以前一緒に仕事をしていた、あるセキュリティ 会社の技術責任者(ハッカー)は「オレは目をつぶったままでも、viを打てるぜ!」 と豪語して、本当に目をつぶったまま、ちゃかちゃかとviでスクリプトを編集して いました。そんな変態にならなくても構わないので簡単な使用法は抑えておきま しょう。もし、GUIが使えない状態でスクリプトファイルの編集をしなければなら なくなったときには本当に重宝しますから。 ・viの基本用法 viはコンソールからviと入力すれば起動しますが、起動直後はコマンド受け付け状 態になっており、何のキーを打っても画面には入力されません。viの場合、「コマ ンド受け付け状態→コマンド入力→動作(キー入力)→Escキー→コマンド受け付け 状態」が基本的な流れであると憶えておいてください。 ・これだけは憶えたいviのコマンド(1) 文字の入力(入力モード) 文字を入力するにはコマンド受け付け状態で、iを入力します。ちなみにiを入力す るとカーソルの前に文字が挿入されます。カーソルの後ろに文字を追加する場合は aを入力します。モードを変更したい場合はEscキーで入力受け付け状態に戻しま しょう。 例: 例えばhogehogeと入力する場合、 コマンド受け付け状態 ↓ iキー入力 ↓(挿入モードになる) hogehoge ↓(普通に文字を入力) Escキー入力 ↓(コマンド受け付け状態に戻す) コマンド受け付け状態 という流れになっています。ちなみに、いま、挿入モードなのか削除モードなのか カーソル移動モードなのか、といったモード状態は一切表示されないので、分から なくなったら、Escキーを押して、一旦モードを解除してからコマンド入力をやり 直しましょう。 viの終了 編集中のファイルの変更を保存する場合、大文字でZZというコマンドです。 変更しないでviを終了したい場合は:q!というコマンドを入力します。 この二つは必ず憶えておいてください! ○次回はviの続きから 次回はviの続きから説明をはじめて、出来ればemacsなどについても触れたいと思 います。それでは! バックナンバーはこちら http://pcweb.mycom.co.jp/column/linux.html