自立への道・パソコンで会社辞めました! ジャーナリスト:もり・えいじ わたし自身が「パソコンでどう情報武装し自立するに至ったか」について、体験 談をベースに話しを展開していくことにします。これから起業したりSOHO化を 目指す方の参考になれば幸いです。 わたしがパソコンというものに初めて出会ってからすでに20年近くになります 。現在は、パソコンジャーナリストとして、またIT(情報技術)コンサルタント として、パソコンなしでは仕事ができない状態です。 しかし、そんなわたしも、パソコンと出会った初期にパソコンで挫折した体験が あります。その経緯は「パソコンを買ってはみたけれど…」(ごま書房) という書 籍にまとめたので、ここでは詳しくは触れませんが、その後いろいろ創意工夫を重 ねて、ある時期からようやくパソコンが武器となったのです。その結果、「二足の わらじ」状態から会社に居る意味がなくなり会社を辞めて、不本意ながら?起業し たというわけです。 ●パソコンを”外部脳”化することで能力アップができる 「パソコンによる情報武装」などと表現するとえらく大げさで大変なことのよう な印象を受けると思います。が、実際はパソコンがシステム手帳やノートの替わり となったという感覚でとらえてもらえれば分かりやすいでしょう。 この感覚をわたしの表現では”外部脳”と呼んでいます。もちろん、これはわた しが書籍に執筆したときの造語です。つまり、パソコンは単なる道具ではなく、使 いようによっては「人間にとっての”外部脳”となりうるのだ」ということです。 その直接的なきっかけというのは、いくつかの素晴らしいソフトに出会ったこと です。本当に素晴らしいソフトに出会うと、そこから開発者のフィロソフィを体感 できます。それにより、パソコンおよびソフトの組み合わせセットから何らかの触 発を受けることがあります。そこで、自分自身とパソコンとの間で、”知的バトル” (これもわたしの造語です)が繰り広げられ、創造的なアイデアなどが浮かぶとい うわけです。 ●文系人間でもパソコンを武器に仕立てあげることができる わたしがパソコンを活用しようと思い立ったきっかけは、別に仕事に役立てたい からだけではありませんでした。もともと、紙ベースで行っていたデータベース、 たとえばFENの「全米トップ40」のチャートランキングのデータベース化や集 計、ビデオやCDの管理、学術文献の整理活用、手帳やシステム手帳の効率的な活 用などをしたいがために、パソコンを導入したのです。 しかし、当時のパソコンはたったひとつの漢字を表示させるだけでもいちいちプ ロ グラム的なものを組まなければならず、とても使い物にはなりませんでした。 わたしがパソコンに挫折したのは、自分の能力的なものもあったにせよ、いまか ら思うとむしろ求めるレベルが高すぎたためパソコンが追いつかなかったのが実態 だったのだとわかった次第です。 ●データベースソフトの徹底活用でキャリアアップできた ソフトの持つ意味の大きさについて触れましたが、なかでもアイデアプロセッサ ーと呼ばれるジャンルのソフトとPIM(パーソナルインフォメーションマネージ ャーの略、個人情報管理の意味)ソフト、そしてデータベースソフト、以上3ジャ ンルのソフトがわたしの人生を大きく変えることになりました。 このうち、データベースソフトは、主に日刊紙記者時代に、毎日取材する新製品 発表会や取材ノート、原稿の下書き、最終原稿、掲載された記事などを効率的に整 理活用するのにフル稼働していました。 これにより、かなりの省力化ができただけでなく、それにより浮いた時間を創造 的な活動にあてることができ、このことで「パソコンを上手く活用すれば時間を稼 ぐことができ、結果的に人生を長生きするのと同じ効果が得られること」に気づい たのです。