Welcome to カケン 科学技術研究所
No.103

 パソコンを仕事に活かす!

     監修 野口 悠紀雄(東京大学教授)NTTタウンページ情報から

        スキャナー読込み後、文字認識させたので読み間違いがあります。

 

実践編 パソコンをこうして利用しよう

 

パソコンの真価がわかる表計算機能

 

 パソコンの表計算機能は、パソコン本来が持っている計算能力を最大限に発揮するので、仕事の上でも大いに役立つものです。

 この表計算を行うには専用のソフト(「エクセル」や「ロータスIー2ー3」など)が必要ですが、最近のパソコンにはこれらのソフトかすでに取り込まれているものが数多くあります。

 この表計算には便利な機能がたくさんありますが、一番は縦横の集計を楽に行えることです。日頃の仕事の中には売上表や納品・見積書の作成、アンケート集計など数値計算を行うことが多いはずです。

 以前はレポート用紙にものさしと電卓片手に作成していた表が、パソコンの表計算で楽にきれいにできてしまいます。

 一度計算方法を指定しておけば、総和や引き算のほか、比率や平均などを瞬時に自動計算してくれます。中の数値を変更しても再び自動的に計算してくれるので、一カ所に変更が出たために最初から計算のやり直しという手間はなくなります。

 もちろん、定型文書(雛形)を作っておけば他の同様のものにも使えますので、仲間で共有するなど応用範囲も広がります。

 この正確で素早い計算機能を使いたいためにバソコンを購入する人がたくさんいます。

 

グラフやデータベースも楽に

 

 さらに表計算機能で便利なのが、作成した表を各種グラフに変換できることです。棒グラフや折れ線のほか、三次元の立体グラフまで作れるので、これで全体傾向の把握や変化がより分かりやすくなり、プレゼンテーション資料などにも最適です。

 表計算機能でのもう一つの使い方は、計算することではありませんが、データべースとしての利用です。表計算ソフトは、数値データだけでなく文字データも扱えるので、住所録や商品台帳など一定の形式のデータ群をデータべースとして登録できます。

 パソコンはもともと大量のデータを加工・集計・分類することに威力を発揮する道具です。ですから日頃から増えていくデータを処理するのに適しています。

 

 たとえば顧客名簿。データが年々増えていく場合でも、バソコンに順次、保存しておけばよいのです。顧客データが何千件あっても、これを五十音順に並べたり、地城別やお得意様別に出したり、特定の個人だけを出したり、宛名打ち出しをしたりすることが簡単にできます。

 ただし、この場合の大前提は、データの更新を常に行い、陳腐化しないようにすることです。それを怠ると、情報として役に立たなくなります。

 データの更新というこの作業は、大変な手間がかかるものであることを覚悟してください。このために必要な人員を確保できなければ、バソコンによるデータ管理は不可能です。

 

パソコンをどう活用していくか

 

 さて、今まで述べたようなパソコンの利用法から、今後はパソコンを活かした仕事やその応用範囲はさらに広がっていくと思われます。

 たとえば、バソコンのネットワークを利用し社内の情報共有化および外部との一元化をはかる「イントラネットやLAN一」、サテライトオフィスや在宅勤務を可能とする「SOHO(スモールオフィス、ホームオフィス)」、ノート型バソコンや電子手帳など携帯用端末の通信機能を使って出先と会社を接続する「モバイルコンピューティング」などは、すでにかなり一般的になつています。

 それでは、会社などでパソコンを便利に使いこなしていくためのポイントは何でしょうか。

 経営者を筆頭とした管理者が、自社の業務での使い道、スムーズなバソコン化ヘの移行について考えるべきことはいうまでもありません。ただし、そのためには、自分でバソコンを操作できることも必要です。

 日常の業務に問題がある場合、それをバソコンで処理できるとわかれば、まず導入して使ってみればよいのです。

 会社などでパソコンを導入するときに、社内にコンピュータのわかる人がいない場合には、コンピュータ関連の種椎や情報処理サービス業、ソフトウエア業などの専門家に相談することもできます。 これらの業者は、コンピュータのノウハウやスキルを有償で提供する会社です。導入の相談から運用指導まで一連の作業を受け持ってくれるので、どんなパソコンシステムが自社に合うか、どんなソフトを選択すべきか、ネットワークの必要はあるかなど相談することもできます。

 しかし、これは導入の準備にすぎません。外部に依頼するときは、業務内容をよく理解してもらい、パソコンで何をしたいのかを伝えなければなりません。本来、パソコンは経営者も含め、自らが日常業務の中で使い、その過程を通じて適切な使い万を模索していくものです。最初から「最適なシステム」が設計できるものではありません。

 この点がメインフレーム、コンピュータとの本質的な差なのですが、一般には理解されていないようです。