■常用対数

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■整数部分,小数部分
 右の例のように,ある数 xx=n+αn は整数,α は小数)と書くことができるとき,x の整数部分は n,小数部分は α であるという.
 x の整数部分を n,小数部分を α とするとき,
n は整数
0≦α<1
x=n+α
が成り立つ

 この定義は,正の数については当然のことのように見えるが,負の数についてもこの定義を用いる.すなわち,例3,例4のように定義する.
【ここがポイント】
0≦α<1   … 小数部分は正
例1
 小数 3.14 の整数部分は 3,小数部分は 0.14 である.
例2
 小数 12.3456 の整数部分は 12,小数部分は 0.3456 である.





負の数については
例3
 小数 −0.7=−1+0.3 の整数部分は −1,小数部分は 0.3 と決める.
例4
 小数 −1.6=−2+0.4 の整数部分は −2,小数部分は 0.4 と決める.
問題1 次の空欄を埋めよ.
(1) 1.23 の整数部分は ,小数部分は

採点する やり直す

(2) −8.52 の整数部分は ,小数部分は

採点する やり直す





■有効数字の表し方
【有効数字の表し方】
a×10n の形で書く ( 1a<10n は整数 )
a として 1.0 から 9.99·· までの数字を使うところがポイント.
例5
 3400 のうち2桁だけが意味があるとき[有効数字が2桁のとき](例えば,道路の長さが3500mや3300mではなく3400mに最も近いと言えるが,10m以下の細かな数字までは測っていない場合)
 3.4×103 の形で表わす.
3.41000 を掛けると 3400 になる.(小数点を右に3回移動させる:すなわち ×103 とする.)
例6
 0.0123 のうち3桁だけが意味があるとき[有効数字が3桁のとき]
 1.23×10−2 の形で表わす.
1.230.01 を掛けると 0.0123 になる.(小数点を左に2回移動させる:すなわち ×0.01=×10−2 とする.)
指数の復習:10の累乗の表し方
10=101
100=102
1000=103
10000=104
……
分数は負の指数で表わされる
0.1=10−1
0.01=10−2
0.001=10−3
0.0001=10−4
……
問題2 次の各数を a×10n (1a<10n は整数)の形で表せ.
(1) 780 (有効数字は2桁)
×10

採点する やり直す

(2) 64500 (有効数字は3桁)
×10

採点する やり直す

(3) 0.045 (有効数字は2桁)
×10

採点する やり直す










■常用対数
 10を底とする対数を常用対数という. … log10N の形

(これに対して微分積分などでよく用いられる e=2.718… を底とする対数は自然対数と呼ばれる … logeN の形)
○ 常用対数は,教科書の巻末などに右のような表として付いていることが多い.
 この表では,log10NN の値のうち整数部分と小数第1位を左の表題から読み取り,小数第2位を上の表題から読み取って,縦横交わる場所が log10N の小数第4位までを表わすようになっている.

 例えば,log101.23 の小数第4位までの値は,0.0899となる.
○ この表を覚える必要はない.特に,今日ではコンユータで簡単に計算でき,右の表はExcel関数を用いて = log10(N) として求めたものである.

【覚えることはただ一つ】
 y=log10N のグラフは単調増加関数(右上がりのグラフ)になっていて,N が大きくなると log10N は大きくなる.
たとえば,log102<log103<log104<log105<···<log109

【大きな整数の桁数】
N1 桁の整数
1N<100log10N<1
log10N の整数部分は 0
N2 桁の整数
10N<1001log10N<2
log10N の整数部分は 1
N3 桁の整数
100N<10002log10N<3
log10N の整数部分は 2
……
【公式】
Nn+1 桁の整数
10n−1N<10nn−1log10N<n
log10N の整数部分は n

※この公式で求めることができるのは「整数部分の桁数」である.例えば,2.17=180.1088541 のように「小数」の累乗を求めると小数部分の長いものとなるが,このようなものの「全体の桁数」を求めても意味がない.2.17 の「整数部分の桁数=3桁」は「大きさの目安」として使える.(100よりも大きくて1000よりは小さい程度の数だと分かる.)
例7
 250 のような大きな整数の桁数を求めるためには,その常用対数を計算すればよい.(ただし,log102=0.3010 は分かっているものとする.)
log10250=50·log102=50×0.3010=15.05 ← 公式(V)
log10250 の整数部分が15だから,250 は16桁の整数 …(答)
[常用対数表] 表示する 表示しない
















※対数公式の復習
0<a , a1 となるどんな a についても
(I) loga1=0 (真数が1なら,底が何であっても対数は0になる)
(II) logaa=1 (真数が底に等しいとき,底が何であっても対数は1になる)

(I) ⇒ log101=0
(II) ⇒ log1010=1
したがって,
0<log102<log103<log104<log105<···<log109<1
が成り立つ.

※対数公式の復習
0<a , a1 , M>0 , N>0 のとき
(III) logaM+logaN=logaMN
(IV) logaM−logaN=loga
(V) logaMn=n·logaM





例8
 3100 の桁数を求めよ.(ただし,log103=0.4771 とする.)
(答案)
log103100=100·log103=100×0.4771=47.71 ← 公式(V)
log103100 の整数部分が47だから,3100 は48桁の整数 …(答)
例9
 670 は何桁の整数か.(ただし,log102=0.3010 , log103=0.4771 とする.)
(答案)
log10670=70·log106 ← 公式(V)
ここで log106=log102+log103 ← 公式(III)
だから,log106=0.3010+0.4771=0.7781
70·log106=70×0.7781=54.467
log10670 の整数部分が54だから,670 は55桁の整数 …(答)
問題3 次の問に答えよ.ただし,log102=0.3010 , log103=0.4771 とする.
(1) 270 は何桁の整数か.


採点する やり直す

(2) 640 は何桁の整数か.


採点する やり直す



【最高位の数】
一般に
213=8192=8.192×103N=a.bcd×10n
log108192=log108.192+3
=3.9134
○整数部分3は小数点移動の回数を表わす
(初め8.192で整数部分は1桁→3回移動すれば4桁)
○小数部分0.9134は有効数字の対数を表わす
log10N=log10a.bcd+n
=n+α
○整数部分nは小数点移動の回数を表わす
(初めに1桁あるからn回移動するとn+1桁)
○小数部分 α は有効数字の対数を表わす
上の例で,元のNの正確な数字8192が分からなくても,log108<0.9134<log109 から,最高位の数は8であると言える.
【最高位の数】
log10N の小数部分 α
log10k≦α<log10(k+1)
なら,最高位の数は k になる.
例10
 240 の最高位の数を求めよ.ただし,log102=0.3010 とする.
(答案)
log10240=40·log102=40×0.3010=12.04
小数部分は log101<0.04<log102
だから最高位の数は1…(答)
(参考)240=1099511627776 になる.
例11
 320 の最高位の数を求めよ.ただし,log102=0.3010 , log103=0.4771 とする.
(答案)
log10320=20·log103=20×0.4771=9.542
小数部分は log103=0.4771<0.542<log104=log1022=2·log102=0.6020
だから最高位の数は3…(答)
(参考)320=3486784401 になる.
問題4  710 の最高位の数を求めよ.なお,必要ならば次の表を用いよ.
N 2 3 4 5 6 7 8 9
log10N 0.3010 0.4771 0.6021 0.6990 0.7782 0.8451 0.9031 0.9542



採点する やり直す


【微小数の小ささの目安】
○ ここでは0.1,0.021,0.00301,… のように0に近い微小な数を扱う(−1000や−10000のような負の数のことではない).
○ このような微小数の大きさの目安は「小数第何位に初めて0でない数が現われるか」で分かる.
N は小数第 1 位に初めて0でない数が現われる
0.1N<1−1log10N<0
log10N の整数部分は −1
N は小数第 2 位に初めて0でない数が現われる
0.01N<0.1−2log10N<−1
log10N の整数部分は −2
N は小数第 3 位に初めて0でない数が現われる
0.001N<0.01−3log10N<−2
log10N の整数部分は −3
……
【公式】
log10N の整数部分が −n
N は小数第 n 位に初めて0でない数が現われる


※ 巨大数のときと異なり,n+1 とはならない.
※ 例えば,log10N=−3.14 のとき,−4+0.86 と変形して整数部分が −4 だから,小数第 4 位に初めて0でない数が現われる.
 この話を,巨大数の時と同じように −3.14 だから 3+1=4 と考えると「まずい」.それは,log100.001=−3 のように負の整数となるとき,正しくは「小数第3位に初めて0でない数が始まる」とすべきところを「小数第4位に初めて0でない数が始まる」と間違ってしまうからである.

例12
 2−12 は小数第何位に初めて0でない数が現われるか.ただし,log102=0.3010 とする.
(答案)
log102−12=−12·log102=−12×0.3010
=−3.612=−4+0.388

整数部分が −4 だから
小数第4位に初めて0でない数が現われる …(答)
(参考)2−12=0.00024414... になる.
【ここがポイント】
0≦α<1   … 小数部分は正
※ 「小数第何位に初めて0でない数が現われる」は,長い言葉であるがどの教科書でも用いられている決まり文句であって,他の言い方はしない.

※ 例えば,0.000000456(m) は小数第7位に初めて0でない数が現われるので,10−7(m)程度=1(m)の1000万分の1程度の大きさである.
 水素原子の半径は 0.000000000529(m) で小数第11位に初めて0でない数が現われる.=1(m)の1000億分の1程度の大きさである.

【Excelにおける巨大数・微小数の表示】
 Excelの標準書式では,1つのセルに表示できないような巨大数・微小数は次のように指数形式で表示される.ここでEはExponent(指数)を表わす.
520=953674316406259.54E+139.54×1013 を表わす
5−20=0.000000000000010481.05E-141.05×10−14 を表わす








例13
 3−10 は小数第何位に初めて0でない数が現われるか.ただし,log103=0.4771 とする.
(答案)
log103−10=−10·log103=−10×0.4771
=−4.771=−5+0.229

整数部分が −5 だから
小数第5位に初めて0でない数が現われる …(答)
(参考)3−10=0.0000169... になる.
問題4 5−10 は小数第何位に初めて0でない数が現われるか.ただし,log105=0.6990 とする.
小数第 位に初めて0でない数が現われる

採点する やり直す

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